振込先の口座情報の書き方、振込手数料をどちらが負担するか、入金と注文をどう突き合わせるか。日本の前払い銀行振込を実務として回すための手順です。名義が合わないとき、金額が数百円足りないとき、振り込んだと言われたのに明細に無いとき。それぞれの返し方を、そのまま使える文面つきで書きました。
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入金が ¥440 足りません。振込人名義は「カ)ミヤモト」。注文者の名前は「田中沙織」。どの注文の入金なのか、明細を見ただけでは分かりません。
前払いの銀行振込は、日本ではまったく普通の受け取り方です。買い手は抵抗しません。詰まるのは受け取り方そのものではなく、その先の三つです。口座情報をどう書くか、振込手数料をどちらが持つか、そして入金と注文をどう突き合わせるか。この三つを先に決めておけば、振込は一件あたり十五秒の作業になります。決めていないと、一件あたり十五分になります。
福岡市で自家焙煎のコーヒー豆を売っている小野さんは、200g を ¥1,450 で出しています。送料が ¥400。合計 ¥1,850。この金額帯だと、振込手数料の話は誤差ではありません。買い手が他行から振り込んで手数料を負担した場合、¥1,850 の商品に対して支払総額が ¥2,000 を超えることがある。そこで一度考え直す人が出ます。
先に、正直なところから書きます。
Sailo の銀行振込の設定項目は、銀行名、口座名義、口座番号、IBAN、SWIFT/BIC、それと自由記入の説明欄です。日本の口座を書こうとすると、支店名と預金種目の専用欄がありません。
これは欠陥というより、国際的な口座を前提にした欄の並びです。日本の口座は説明欄を使って書きます。実際に書くとこうなります。
銀行名 西日本シティ銀行
口座名義 オノ ケイスケ
口座番号 1234567
IBAN (空欄)
SWIFT/BIC (空欄)
説明欄:
支店名 天神支店(店番 201)
預金種目 普通
お振込の際は、依頼人名の前に注文番号をご入力ください。
例) 1042 オノケイスケ
振込手数料はお客様のご負担でお願いいたします。
正式な口座名義はカタカナです。漢字で書いておくと、買い手がATMやネットバンキングの受取人名の欄に入れる文字と一致せず、そこで手が止まります。止まった人の何割かは、戻ってきません。
ゆうちょ口座で受け取る場合、ゆうちょ間の送金で使う記号・番号と、他の銀行から振り込んでもらうときの店名・預金種目・口座番号は別の表記です。買い手の口座がゆうちょとは限らないので、書くのは後者です。
自分の口座の他行あて表記は、ゆうちょ銀行のサイトかアプリで確認できます。記号・番号だけを書いて「振込できません」と言われるのは、この方法でつまずく典型例です。
日本の国内送金には IBAN を使いません。SWIFT/BIC が要るのは海外からの送金だけです。国内の買い手しか相手にしないなら、両方とも空のままで問題ありません。空欄が気になって「なし」と入れると、買い手の画面に「IBAN: なし」と表示されて、かえって不安にさせます。
これは日本の買い手が実際に気にする論点です。聞かれます。
まず前提として、振込手数料は買い手の銀行が買い手から取るお金です。あなたの手元には来ませんし、いくらかかるかもあなたには分かりません。同じ銀行あてか他行あてか、ATMかネットバンキングか、金額がいくらか、その銀行が月に何回まで無料にしているか。全部で変わります。
だから、自分の銀行の料金表を根拠に「¥165 です」と書いてはいけません。それはあなたが払うときの金額です。
日本では標準的な扱いです。「振込手数料はお客様のご負担でお願いいたします」。この一文を、商品ページと、注文後の案内文の両方に書きます。片方だけだと必ず行き違いが出ます。
この書き方をするなら、着金額が請求額ちょうどであることが前提です。買い手が手数料を差し引いて振り込んでくると、金額が合いません。
「振込手数料は当店負担」と書くやり方もあります。この場合、請求額から手数料分が引かれた額で着金します。
問題は、いくら引かれるか事前に分からないことです。¥1,850 の請求に対して ¥1,700 が来るのか ¥1,685 が来るのか、買い手の銀行次第。少額の商品を扱っているなら、この不確定さは実務としてかなり面倒です。小野さんは一度これをやって、月末の突き合わせで三十分溶かしてやめました。
冒頭の ¥440 不足はこのパターンです。買い手が善意で手数料を差し引いて振り込んだ。
対応は先に決めておきます。少額の不足は飲む、という基準を持っておくのが実際的です。金額の線を自分の中で引いておく。¥500 未満は追加請求しない、と決めておけば、その場で悩みません。
追加請求するなら、文面はこうです。
ご入金ありがとうございます。ご確認いただきたいのですが、着金額が ¥1,410 で、ご請求額 ¥1,850 との差額が ¥440 ございました。振込手数料が差し引かれた可能性がございます。恐れ入りますが、差額分をご入金いただくか、次回のご注文時に調整させていただくかをお選びいただけますでしょうか。
責めない。原因を推測で言い切らない。選択肢を出す。この三つです。
ここが本題です。入金があっても、それが誰の注文か分からなければ発送できません。
振込依頼人名の欄には文字数の上限があります。上限は銀行やチャネルで違いますが、長い名前と長い番号を両方入れると、後ろから切れます。
だから、注文番号は名前の後ろではなく前に置いてもらいます。「オノケイスケ 1042」だと 1042 が消える可能性がある。「1042 オノケイスケ」なら、消えるのは名前のほうで、こちらは番号さえあれば照合できます。
番号は短くします。四桁で足ります。日付を入れたり、記号を混ぜたりすると、入力できない文字が出てきて余計に面倒になります。
「カ)ミヤモト」は株式会社ミヤモトです。会社の口座から個人の買い物を振り込む人はいます。配偶者の口座から振り込む人も、親の口座から振り込む学生もいます。
これは不正でも何でもなく、ただの日常です。名義の一致を照合の主軸に据えると、月に数件は必ず詰まります。番号のほうが強い。
それでも一致しないときは、聞きます。
お振込ありがとうございます。恐れ入りますが、当方の明細で確認できたお名前がご注文時のお名前と異なっておりました。ご家族やお勤め先の口座からのお振込でしたら、その旨をお知らせいただけますでしょうか。確認でき次第、本日中に発送手配いたします。
ここで、はっきり書いておくべき制限があります。
**Sailo は入金を検知しません。**銀行と繋がっていないので、着金したかどうかを知る手段がありません。注文を「入金済み」にするのはあなたの手です。この作業を代わりにやってくれる仕組みは、どのプランにもありません。Business プランにしても増えません。
実務としては三つのうちどれかです。
| 方法 | 分かるまでの時間 | 手間 |
|---|---|---|
| ネットバンキングの入出金明細を開く | すぐ | 自分で開く必要がある |
| 銀行アプリの入金通知 | ほぼ即時 | 設定が要る。対応は銀行による |
| 通帳記帳 | 記帳しに行くまで分からない | 最も遅い |
現実的にはネットバンキングです。朝と夕方の一日二回、決まった時間に開く。これを習慣にすると、買い手への返信が「確認して折り返します」ではなく「確認しました」になります。
振込がいつ反映されるかも銀行と時間帯によります。24時間いつでも即時に入金されるかどうかは、送金側と受取側の銀行の対応状況で変わります。自分の銀行がどうなのかは、銀行のサイトで一度だけ確認しておくといいです。金曜の夜に振り込まれたものが月曜に見えるのか、その晩に見えるのかで、買い手への説明の仕方が変わります。
価格の付け方、写真、配送、そして代金の受け取りについてのメールを1通。宣伝も水増しもありません。
一番よく来る場面です。買い手は嘘をついていないことのほうが多い。よくあるのは、振込予約をしたが実行日が翌営業日だった、口座番号を一桁間違えて組戻しになっている、あるいは別の受取人に振り込んでいる。
疑いを表に出さずに、事実を集める返し方です。
ご連絡ありがとうございます。恐れ入りますが、現時点で当方の口座に着金の記録を確認できておりません。行き違いでしたら申し訳ございません。お振込日と、振込依頼人名をお教えいただけますでしょうか。確認のうえ、本日中にご連絡いたします。
「確認できておりません」であって「入金されていません」ではありません。この差は大きいです。前者は事実の報告で、後者は相手の言い分の否定です。
それでも見つからない場合、買い手にはご利用明細か振込完了画面のスクリーンショットを見てもらいます。そこに受取人の口座番号が出ているので、たいていそこで原因が判明します。
期限を書いておきます。「ご注文から3日以内にご入金をお願いいたします」。
書いておくと、四日目に在庫を戻すのが事務作業になります。書いていないと、四日目に相手を責めているような気持ちになって、結局二週間置いておくことになります。
閉じるときの文面も一つ用意しておきます。
ご注文いただいたお品につきまして、お支払期限を過ぎましたのでキャンセル扱いとさせていただきました。改めてご希望の際は、お手数ですがもう一度ご注文ください。
これで終わりです。理由を並べない。次があることだけ書いておく。
安いものを一点ずつ売っていると、振込は経済的に成立しにくくなります。
¥800 の商品に振込手数料がかかると、買い手の負担率は一割を超えることがあります。買い手はその率を計算しませんが、支払総額の見た目には反応します。¥800 のものを買うのに手続きを踏んで手数料を払う、という体験は、金額の割に重い。
小野さんが実際にやったのは、価格を上げることではなくて、まとめ買いの理由をつくることでした。200g を二袋で送料無料。これで一件あたりの金額が ¥2,900 になり、振込手数料の重さが相対的に消えました。件数は減らず、一件あたりの金額が上がった。
ここは送料の設計と一体で考えるところです。送料無料のラインをいくらに置くかで、振込の使い勝手も変わります。金額の決め方は日本の送料を計算するのほうに書きました。
単価が ¥1,000 を切る商品を単品で売り続けるなら、振込は主力にならない、という判断も普通にありえます。その場合は代引か、あるいはイベントや店頭での対面販売のほうが早い。
判断が要るところです。二つのやり方があります。
商品ページに常時載せておくと、買い手は注文の直後に振り込めます。連絡を待つ時間がゼロになるので、離脱が減ります。その代わり、口座番号と名義が公開情報になります。
注文後に案内する形にすると、口座情報を渡す相手を自分で選べます。その代わり、案内を送るまでのあいだに買い手の熱が冷めます。夜中に注文が入って、返信が翌朝になると、そこで一件落ちることがあります。
小さく始めるなら、注文後に案内する形が無難です。ただし、返信の速さがそのまま成約率になるので、定型文をスマホに登録しておきます。振込先の六行を打ち直しているうちは、この方式のコストを払いきれていません。
どちらにしても、口座名義は屋号ではなく実際の名義を書きます。「〇〇珈琲」と書いてあって振込先が「オノ ケイスケ」だと、そこで手が止まる人がいます。屋号で活動しているなら、「振込先の名義は代表者名義です」と一行添えておくだけで解決します。
日本ではそれなりの頻度で聞かれます。特に法人や個人事業主の買い手からは、ほぼ確実に来ます。
ネット通販では振込の控えやクレジットカードの利用明細を領収書の代わりに使う、という説明をする売り手が多いです。ただ、それで相手の事情が足りるかどうかは相手側の話ですし、何をどういう形式で出す必要があるかは、インボイス制度への登録の有無によっても変わります。
ここでは形だけ書きます。「発行するかしないか」「発行するなら何を書くか」は、自分の事業の状況に依存します。国税庁の案内で確認してください。ブログの記述を根拠にして決める種類の話ではありません。
決めたら、商品ページに一行書いておきます。「領収書の発行を承ります。ご注文時の備考欄にその旨とお宛名をご記入ください」。書いておけば、注文後に往復が発生しません。
前払いの振込は、買い手にとっては「先にお金を出す」という行為です。初めての店に対してそれをやるのは、それなりのハードルです。
だから、振込一本にすると取りこぼします。取りこぼしの中身は主に二種類あって、ひとつは前払いに抵抗がある人、もうひとつはそもそも銀行アプリを使っていない人です。後者への答えはコンビニ払いと代金引換を売り手側から見るに書きました。日本ではここが薄いと、実際に売上が落ちます。
カード決済に逃げるという手はあります。Sailo でカードを使うには Stripe に承認された接続済みアカウントが必要です。手数料は商品代の 1–3%(割引後の商品代にかかり、送料と税は対象外)で、お金はあなたの Stripe アカウントに直接入ります。
ただし Sailo のカード決済は Stripe だけを使っています。他の決済会社は入っていません。Stripe が使えない国では、カードのボタンはどのプランでも出ません。提供国の扱いは変わりますし、この記事では日本の扱いを確認していないので断定しません。stripe.com/global で日本を確認してください。
小野さんの豆は ¥1,450、送料 ¥400、合計 ¥1,850。週の注文はだいたい十二件。
商品ページには三行だけ書いてあります。振込先は注文後に案内すること、振込手数料はお客様負担であること、入金確認後2営業日以内に発送すること。
朝七時、焙煎の前にネットバンキングを開きます。前日夜からの着金が三件。番号が頭に付いているので、注文一覧と突き合わせるのに一分かかりません。三件を発送準備に回します。
火曜、名義が「カ)ハラダ」の入金が一件。番号は付いています。番号で照合できたので、名義は気にしません。原田さんが会社の口座から自分のコーヒーを買っただけです。
木曜、¥1,850 のはずが ¥1,630 で着金。差額 ¥220。小野さんの基準は ¥500 未満は飲むなので、そのまま発送します。追加請求のメールを書く時間のほうが高い、という判断です。
金曜、月曜に注文した人からまだ入金がありません。期限は3日と書いてあるので、キャンセルの定型文を送って在庫を戻します。三十秒。
**この運用のすべてを支えているのは、依頼人名の先頭にある四桁の数字だけです。**それが無かった頃、小野さんは月末に二時間かけて突き合わせをしていました。
三つです。
支払い方法を整えたら、次は買い手を連れてくる番です。最初の注文を取ると、送料をどう見せるかを決める日本の送料を計算するが続きになります。全体の組み立てはウェブサイトを作らずに日本でネット販売を始めるにまとめてあります。
執筆
Sailo team
リンク一本に、ショップまるごと。
価格の付け方、写真、配送、そして代金の受け取りについてのメールを1通。宣伝も水増しもありません。
Sailo はそこに玄関をつけるだけです。連絡する前に、見て、比べて、値段を確かめられるように。
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