Sailo にコンビニ払いのレールはありません。だからこれは機能の話ではなく、その期待にどう答えるかという運用の話です。前払いと後払いの違い、代金引換の手数料と入金までの時間、受取拒否で実際に消える金額の計算、そして聞かれたときにそのまま送れる返信の文面まで、実務の順にまとめました。
Sailo team2 分で読めます
「コンビニ払いはできますか」。この質問に、いまのところ「できません」としか答えられません。
先に事実を書きます。**Sailo にコンビニ払いのレールはありません。**これは無料プランの制限ではなく、Business プラン($49/月)にしても出てきません。使える支払い方法は、カード、WhatsApp、Telegram、Instagram、メール、電話、銀行振込、代金引換。これで全部です。PayPay も LINE Pay もありません。LINE そのものも入っていません。
だからこの記事は機能の紹介ではなく、その期待にどう答えるかという運用の話です。日本でネット販売をするなら、この質問は必ず来ます。
神戸市で革のキーケースを作っている森さんは、一個 ¥5,600 で売っています。注文の三分の一は代金引換です。残りは前払いの銀行振込。コンビニ払いを聞かれたのは、この四ヶ月で九回。そのうち何人が離脱したかは分かりませんが、ゼロではないはずです。
「コンビニ払い希望」と書いてくる人は、ひとつの層ではありません。ざっくり三つに分かれます。
ひとつ目は、カードを持っていない、あるいは使いたくない人。学生、若い層、そして単にネットにカード番号を入れたくない層です。この人たちは代替手段があれば買います。
ふたつ目は、ネットバンキングを使っていない人。口座はあるが、振込はATMか窓口でやる。この人にとって振込は「出かける用事」です。コンビニなら通り道にあります。
みっつ目は、慣れているだけの人。他の方法も使えるが、いつもコンビニで払っているから聞いた。この層は、代替を提示すればだいたい移ります。
一番目と二番目の人は、代替がなければ買いません。ここは正直に見ておいたほうがいい。その人たちを取り戻す方法は、Sailo の中にはありません。
一緒くたにされがちですが、売り手から見ると全然違います。
前払い型は、注文後に払込票か番号が発行されて、買い手がコンビニのレジで払う形です。売り手はお金を確認してから発送します。未払いのまま消える注文は出ますが、商品は出ていないので損は小さい。
後払い型は、商品と一緒に請求書が入っていて、買い手が届いてから払う形です。買い手にとっては一番気楽で、売り手にとっては一番怖い。未払いの回収をどうするか、という問題が発生します。日本では後払いを提供している会社がいくつかあって、未回収分を保証する代わりに手数料を取る、という形が一般的です。
どちらも、決済代行の会社と契約して、コンビニ各社と繋がっている仕組みに乗る必要があります。個人が自分でコンビニと契約する、という話ではありません。
Sailo はこのどちらとも繋がっていません。
やろうと思えば、手作業でならできます。ただ、素直に言えば面倒です。
外部の決済サービスと自分で契約して、注文が入るたびに手作業で支払い用の番号を発行し、買い手に送り、入金の連絡を自分で確認する。Sailo 側は「銀行振込」か「メールでの注文」として扱っておいて、実際の支払いは別の場所で完結する形です。
これは繋がっていません。注文の状態は自分で書き換えます。件数が月に数件なら回りますが、二十件を超えたあたりで管理が破綻します。
もうひとつ、正直に書いておくべき話があります。振込先の設定には自由記入の説明欄があるので、そこに何を書くかは自由です。実際、そこに別の支払い先を書いている売り手はいます。ただしそれは Sailo の機能ではありません。注文の画面上はあくまで「銀行振込」として扱われますし、入金の確認は完全にあなたの手作業になります。機能として存在するかのように書いてある記事があったら、それは間違いです。
cod は Sailo の支払い方法として実在します。設定できるのは自由記入の配送メモだけなので、条件は文章で書きます。
ただ、Sailo 側にあるのは「代引という選択肢を注文フォームに出す」機能だけです。代引そのものは運送会社のサービスなので、実務は運送会社との間で起きます。
配達員が商品を渡すときに代金を預かって、後日それがあなたの口座に入ります。ヤマト運輸にも日本郵便にも仕組みがあります。
利用するには、それぞれの会社の手続きが要ります。何が必要か、個人でも使えるか、上限額はいくらかは、会社とサービスによって違います。運送会社のページで確認してください。この記事に条件は書きません。確認していないからです。
代引には、送料とは別に代引手数料がかかります。金額は代金の帯によって段が変わる形が一般的です。
誰が持つかは、あなたが決めて、書きます。買い手負担にするなら、商品ページと注文の案内文の両方に書く。片方だけだと必ず揉めます。
自分で持つなら、それは実質的な値引きです。¥5,600 の商品で代引手数料を飲むと、粗利からその分が消えます。件数が増えると効いてきます。
金額は運送会社の料金表を見てください。ここには書きません。
これは知らずに引っかかる人が多いところです。
配達員が現金を受け取った日に、あなたの口座にお金が入るわけではありません。運送会社が集計して、締めがあって、指定の日に送金されます。何日かかるかは会社と契約内容によります。
**その日に売れた代引の代金を、その週の仕入れに使うつもりで計算すると、資金繰りを外します。**森さんは月初に革をまとめて仕入れる人なので、これを一度やって、それ以来は代引の売上を「翌月のお金」として扱っています。
代引には、前払いには無いリスクがあります。買い手が受け取らない、あるいは不在のまま保管期限を過ぎて、荷物が戻ってくる。
このとき消えるものを数えます。行きの送料。帰りの送料。梱包材。そして商品を作った時間。
森さんのキーケースで具体的に計算します。売値 ¥5,600、材料と工賃で ¥1,900 なので粗利は ¥3,700。往復の送料と梱包材で、受取拒否一件あたりおよそ ¥1,750 が出ていきます。
| 代引10件のうち受取拒否 | 粗利の合計 | 通常比 |
|---|---|---|
| 0件 | ¥37,000 | 100% |
| 1件 | ¥31,550 | 85% |
| 2件 | ¥26,100 | 71% |
十件に一件で15%落ちます。二件だと三割です。代引を受けるかどうかは、この表をどう見るかで決まります。
減らす方法はあります。発送前に一度連絡する。「本日発送いたしました。お届け予定は◯日です。ご不在の場合は再配達をお願いいたします」。この一通で受取拒否は目に見えて減ります。相手に「注文したこと」を思い出させるのが目的です。
初回の注文だけ代引を受けない、というやり方もあります。二回目からは代引可。露骨ですが、失礼にはなりません。書き方次第です。
地味ですが、これで泣く人がいます。
代引の送り状には、集金してもらう金額を自分で書きます。商品代と送料と代引手数料を足した額です。ここを間違えると、配達員はその間違った額を集金します。渡した後に「本当は ¥1,000 高かったので払ってください」と買い手に言うのは、できなくはないですが、その一件で関係は終わります。
対策は単純です。送り状を書く前に、注文画面の合計金額をそのまま見ながら書く。暗算しない。特に、送料と代引手数料をどちらが負担するかを商品ごとに変えている場合、必ずどこかで間違えます。
森さんは代引の送り状を書くときだけ、注文画面をスマホで開いたまま横に置いています。四ヶ月で書き間違いはゼロ。それ以前は月に一件ありました。
現金を対面で受け取る必要があるので、玄関前に置いていく形は成立しません。
これは日常的にじわじわ効きます。一人暮らしで日中いない買い手だと、初回で受け取れず、再配達になり、それも受け取れず、保管期限が来て戻ってくる。受取拒否の意思がなくても、荷物は帰ってきます。
だから発送時の連絡が効きます。「本日発送しました。◯日の午前中にお届け予定です。ご都合が悪ければ、配達店に日時変更のご連絡をお願いいたします」。追跡番号を添えておくと、買い手が自分で時間指定を変えられます。ここまでやって初めて、代引は運用として安定します。
代引は、買い手に「その瞬間に現金を持っていること」を要求します。ここを軽く見ると、受取拒否の数字が説明できなくなります。
¥5,600 の商品なら、多くの人は財布に入っています。¥6,000 出して釣り銭 ¥400。問題ありません。
これが ¥18,000 を超えたあたりから、話が変わります。現金をそれだけ持ち歩いていない人は珍しくありませんし、玄関先で「ちょっと待ってください」と言って部屋に戻る時間も、配達員を待たせる気まずさもある。その気まずさは、次回もあなたから買うかどうかに効きます。
運送会社によっては、配達時にカードや電子マネーで支払える仕組みを持っていることがあります。使えるかどうか、条件は何かは会社と契約によって違うので、自分が使う運送会社のページで確認してください。使えるなら、それを商品ページに書いておくと高額商品の代引がかなり楽になります。
代引そのものに扱える金額の上限もあります。上限額も運送会社とサービスによって違うので、高額なものを扱っているなら必ず先に確認します。上限を超えていると、そもそも送り状が受け付けられません。
実務としての線引きは単純です。**単価が上がるほど、代引より前払いの振込のほうが両者にとって楽になります。**森さんは ¥15,000 を超えるオーダーメイドの品では代引を出していません。断るのではなく、そもそも選択肢に置いていない。
価格の付け方、写真、配送、そして代金の受け取りについてのメールを1通。宣伝も水増しもありません。
日本の買い手の多くは、あなたの店に来る前にフリマアプリで買った経験があります。そこでコンビニ払いやATM払いを選べたなら、あなたの店でも選べると思っています。
この期待は消せません。消せないので、先に answer を置いておくしかない。商品ページの上のほうに支払い方法を書いておくのは、そのためです。
もうひとつ、フリマアプリで身についている感覚があります。送料込みの表示です。フリマアプリでは出品価格に送料が入っていることが多いので、会計の最後で送料が足される形に慣れていない人がいます。金額そのものより、後から足されたという事実に反応します。
ここは支払い方法とセットで設計する話です。支払いのハードルを下げるより、合計金額を最初から見せるほうが、離脱には効きます。
商品の単価と粗利率で決まります。
粗利率が高くて単価が高いものは、代引に耐えます。¥5,600 で粗利 ¥3,700 なら、受取拒否一件の損は粗利半件分です。
粗利率が低くて単価が安いものは、耐えません。¥1,200 の商品で粗利が ¥400 なら、受取拒否一件で四件分の利益が飛びます。この場合、代引を出さないほうが儲かります。
ここで「代引を出さないと買ってもらえない」という反論が出ますが、それは検証できます。一ヶ月やめてみて、注文数を比べればいい。落ちなければ、そのまま。落ちたなら、落ちた分と受取拒否の損を比べる。感覚ではなく件数で決められる種類の問題です。
無いものは無い、と言ったうえで、その場で選べる形にします。三行で足ります。
お問い合わせありがとうございます。申し訳ございませんが、コンビニ払いには対応しておりません。お支払いは銀行振込(前払い)と代金引換をご用意しております。代金引換ですとお届け時に配達員へ現金でお支払いいただけますので、そちらもご検討ください。
謝る。無いと言う。代わりを二つ出す。それだけです。「今後の検討課題とさせていただきます」は書かない。書くと、その人はまた聞きに来ます。
商品ページの支払い方法の欄にも、同じことを先に書いておきます。「お支払い方法:銀行振込(前払い)/代金引換」。この一行があるだけで、質問の数が減ります。
そして日本では、支払方法と支払時期を買い手に見せておく形の義務があります。特定商取引法にもとづく表示と呼ばれるものの一部です。何をどこまで書く必要があるかは扱う商材や売り方で変わるので、消費者庁の案内で確認してください。ここでは「支払いの条件を書いておく場所がある」という形までしか書きません。
四ヶ月やってみた結果です。
支払い方法は二つに絞りました。前払いの銀行振込と、代金引換。振込のほうが多くて、だいたい三分の二。
代引の条件は商品ページに三行書いてあります。代引手数料はお客様負担であること、初回のご注文では代引を承っていないこと、そして発送日に必ず連絡すること。
初回で代引を断る、というのは最初は怖かったそうです。実際にやってみると、それが理由で消えた人はほとんどいませんでした。代わりに、受取拒否がこの四ヶ月でゼロです。
コンビニ払いを聞かれた九件については、上の定型文を返しています。そのうち四人は代引に移りました。二人は振込にしました。残りの三人からは返事がありません。
その三人が失われた売上です。¥5,600 × 3 で ¥16,800。取り戻す方法は、いまのところありません。
もう一度書きます。**Sailo にコンビニ払いのレールはありません。**プランを上げても増えません。PayPay も LINE Pay も、日本のQR決済のレールもありません。
代引はレールとして存在しますが、Sailo が持っているのは注文フォームに選択肢を出す機能と、自由記入の配送メモだけです。運送会社との手続きも、代金の入金確認も、受取拒否の処理も、あなたがやります。
カード決済という選択肢もありますが、条件があります。Stripe に承認された接続済みアカウントが必要です。手数料は商品代の 1–3%(割引後の商品代にかかり、送料と税は対象外)。お金は Sailo を通らず、あなたの Stripe アカウントに入ります。
そして Sailo のカード決済は Stripe だけを使っています。他の決済会社は入っていません。Stripe が使えない国では、カードのボタンはどのプランでも出ません。提供国の扱いは変わりますし、この記事では日本の状況を確認していないので断定しません。stripe.com/global を開いて確認してください。
三つです。
前払いの振込を主力にするなら、口座情報の書き方と入金の突き合わせは銀行振込で代金を受け取るときに実際に詰まるところにまとめました。代引の送料をどう見せるかは日本の送料を計算する、支払い方法を含めた全体の組み立てはウェブサイトを作らずに日本でネット販売を始めるにあります。買い手をどこから連れてくるかは最初の注文を取るです。
執筆
Sailo team
リンク一本に、ショップまるごと。
価格の付け方、写真、配送、そして代金の受け取りについてのメールを1通。宣伝も水増しもありません。
Sailo はそこに玄関をつけるだけです。連絡する前に、見て、比べて、値段を確かめられるように。
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