最初の五件は、ほぼ確実に名前を知っている相手から来ます。広告でもハッシュタグでもありません。十通の個別メッセージの書き方、送ってはいけない相手の見分け方、メルカリの箱に入れる紙、イベントでの渡し方、そして最初のレビューを頼むときの文面まで、三週間で十一件を取ったときの順番のまま書きました。
Sailo team1 分で読めます
プロフィールにリンクを貼って四日。クリックは62、注文はゼロ。
これは商品の問題でも、たぶん価格の問題でもありません。前提の問題です。一件も買われた形跡のない店から、見ず知らずの人が最初に買う、という出来事を期待している。それが起きる確率は低い。
最初の五件は、ほぼ確実に名前を知っている相手から来ます。広告でもハッシュタグでもアルゴリズムでもない。名前を知っている十人に個別のメッセージを送るほうが、三百人への一斉送信より多くの注文を生みます。差は小さくありません。
仙台市で焼き菓子の詰め合わせを ¥2,400 で売っている早川さんの場合、最初の三週間で11件。そのうち9件は、名前を知っている人か、その人の紹介でした。残り2件が、本当の意味での見知らぬ人からの注文です。
これは弱さの証拠ではありません。最初の一か月の正常な形です。ここを受け入れずに、知らない人が来るのを三か月待つ人がいちばん時間を失います。
お金だけの話ではありません。最初の十件が教えてくれることは、他では買えません。
この十件が見知らぬ人だと、上のリストの失敗が全部レビューになります。名前を知っている人なら、失敗が全部フィードバックになって、それでもまた買ってくれます。順番が逆だと、取り返しがつきません。
早川さんの最初の三件は、全部同じことを言いました。「箱が大きすぎる」。四件目から箱を一回り小さくして、送料の区分がひとつ下がりました。知らない人相手だったら、この情報は星3のレビューとしてしか届かなかったはずです。
一斉送信をやめます。名前を書きます。それだけです。
まず、名前と顔が浮かぶ人を十人書き出します。友人、元同僚、家族、習い事で会う人、地元の知り合い。この段階では「買ってくれそうか」で選ばない。選ぶと、五人しか書けなくなって、そこで手が止まります。
送る文面はこうです。
◯◯さん、お久しぶりです。実は先月から焼き菓子を作って売り始めました。詰め合わせで ¥2,400 です。もし興味があれば見てもらえたら嬉しいです。もちろん、興味がなければ全然大丈夫です。無理に買ってほしいわけじゃなくて、まず知っている人に見てもらいたくて連絡しました。 (リンク)
三点だけ守ります。名前を書く。売っているものと価格を書く。断る余地を明示的に残す。
最後の一文が効きます。逃げ道があるメッセージのほうが返信率が高い。日本では特にそうです。断れない形で頼まれると、返信そのものをしなくなります。
仕事上の立場が上の人、金銭的に余裕がなさそうな人、そして「頼まれたら断れない」ことが明らかな相手。
ここで無理に一件取ると、その関係が終わります。¥2,400 で失う関係にしては高すぎます。
返信が来た人には、次を頼みます。買ってくれた人にも、買わなかった人にも。
ありがとうございます。もし周りに好きそうな人がいたら、リンクを送ってもらえると嬉しいです。
これで十人が二十人になります。早川さんの11件のうち4件は、この一行から来ました。
十通送る前に、リンク先が完成していることを確認します。ここが未完成のまま送ると、十人という貴重な弾を無駄撃ちします。二度目は送れません。
確認するのはこの五つです。
| 確認 | 未完成だと何が起きるか |
|---|---|
| 税込価格が書いてある | 「いくらですか」の返信が来る |
| 送料が書いてある | 会計の直前で止まる |
| 支払い方法が書いてある | 「どうやって払うんですか」が来る |
| 発送までの日数が書いてある | 「いつ届きますか」が来る |
| 写真が7枚ある | 判断できずに閉じる |
写真の枚数と中身は商品写真をどこまで撮れば「写真と違う」と言われないかに書きました。最初の十人は好意で見てくれますが、好意は判断材料の代わりにはなりません。
日本で売るなら、これは早めに知っておいたほうがいい話です。
Sailo の注文の受け口は、カード、WhatsApp、Telegram、Instagram、メール、電話、銀行振込、代金引換。これで全部です。LINEは入っていません。
日本で顧客と繋がり続ける場所として一番自然なのは、多くの人にとってLINEです。友人に「買って」と送るときの経路もLINEでしょう。リンクをLINEで送ること自体は当然できますが、注文そのものをLINEの中で完結させる仕組みは無いということです。
現実的な運用は、こうなります。リンクはLINEで配る。注文はリンク先のフォームで受ける。その後の連絡は、相手が使いやすい経路でやる。二回目以降のお知らせをLINEで送りたいなら、それは自分でLINE公式アカウントなりを別に用意する話になります。繋がってはいません。
これは制限として書いておきます。日本で売る人にとっては、そこそこ効いてくる制限です。
正直に書きます。メルカリには買い手がいて、あなたの店にはまだいません。
出品すればその日のうちに誰かが見ます。これは初期において圧倒的な差です。手数料を払い、価格を並べられ、値下げ交渉が来る。その代わり、露出は借りられます。手数料が実際いくらかはメルカリのヘルプで確認してください。ここでは数字を出しません。
問題は、そこで買った人はメルカリの顧客であって、あなたの顧客ではないということです。次に思い出してもらう手段がありません。
だからやることは決まっています。発送する箱の中に、自分のリンクを入れます。
紙一枚。書くのは三つだけ。屋号、リンク、そして「次回、こちらから直接ご注文いただけます」。
QRコードを印刷しておくと、その場でスマホを向けてもらえます。URLの手打ちを期待してはいけません。
早川さんはここに一行足しました。「直接ご注文の方には、焼き菓子をひとつおまけしています」。実質的な値引きですが、手数料と比べれば安い。これで二回目が来ます。
デザインフェスタ、地域のマルシェ、クラフトフェア、文学フリマ。日本の対面イベントは、初期の売り手にとって現実的な選択肢です。
その場で売れる金額より、その場で得られるものが大きい。実際に手に取った人の反応、聞かれる質問、値札を見たときの顔。これは画面越しには絶対に手に入りません。
**イベントで渡すべきはショップカードではなく、その場でリンクを開いてブックマークしてもらうことです。**紙は家に着く前に鞄の底に沈みます。QRを立てておいて、「よかったらここから見てください」と言って、開くまで見届ける。三秒の差です。
出展料と、材料費と、当日の売上を必ず記録します。二回目に出るかどうかを、感覚ではなく数字で決められるようになります。
価格の付け方、写真、配送、そして代金の受け取りについてのメールを1通。宣伝も水増しもありません。
Instagram は棚の写真、X は作っている過程、というのが日本での一般的な使い分けです。どちらも、購入は別の場所で起きます。
置くものは決まっています。プロフィールにリンク。投稿では価格を書く。「DMでお問い合わせください」だけの投稿は、質問を増やして注文を増やしません。
投稿の頻度より、投稿から商品ページに戻る線が通っているかのほうが大事です。写真だけ流れていて、値段もリンクも無いアカウントは、フォロワーが増えても注文は増えません。
短い動画から知って、購入は別の場所で、という流れは日本でも普通になりました。動画側でやるのは興味を持たせるところまで。判断させるのは商品ページの静止画と数字です。
最初から在庫を積むのは危険です。何が売れるか分かっていないからです。
先に注文を取って、それから作る。焼き菓子でも、革小物でも、陶器でも成立します。日本の買い手は納期がはっきりしていれば待ちます。
書くのは二行です。
こちらは受注制作です。ご注文とご入金の確認後、10日以内に発送いたします。 発送日が確定しましたら、あらためてご連絡いたします。
守れる日数を書きます。守れない日数を書いて一度遅れると、最初の十人からの信用が飛びます。回復には三か月かかります。
前払いを頼むなら、口座情報の書き方と、入金の確認の仕方は銀行振込で代金を受け取るときに実際に詰まるところを見てください。日本では前払いの振込はまったく普通ですが、書き方を間違えると入金が誰のものか分からなくなります。
Sailo のレビューは全プランで使えます。買い手が名前と5段階の星と任意のテキストを残せて、あなたが承認するまで公開されません。
放っておくと集まりません。頼みます。届いた二、三日後に、一通だけ。
先日はご注文ありがとうございました。無事にお届けできていれば嬉しいです。もしよろしければ、商品ページに一言だけ感想を残していただけると、これから見てくださる方の参考になります。お忙しければ、もちろん結構です。
一度だけ送ります。二度送ると催促になります。
最初の三件が揃うと、四件目からの空気が変わります。誰も買っていない店と、三人が買った店では、見ず知らずの人にとって別の店です。
承認制なので、都合の悪いレビューを承認しないこともできてしまいます。やらないでください。星4がひとつも無いレビュー欄は、読む人にとって広告です。
日本でネット販売をするなら、事業者としての情報を買い手に見せる義務があります。特定商取引法にもとづく表示、と呼ばれるものです。
だいたいカバーするのは、事業者の名前と連絡先、価格、支払方法と支払時期、引渡し時期、返品の可否と条件。このあたりです。
何をどこまで書く必要があるかは、扱う商材や売り方、事業の形で変わりますし、運用も変わります。ここでは「そういう義務の形がある」ということまでしか書きません。具体的には消費者庁の案内で確認してください。ブログの記述で済ませる種類の話ではありません。
先に済ませておく理由は単純で、後回しにすると忘れるからです。注文が来てから慌てるより、十通送る前に一時間かけたほうが安い。
冒頭の62クリック・注文ゼロは、診断できます。見るのは三か所だけです。
**リンクが開かれていない。**クリック数が一桁なら、問題は商品より前にあります。リンクがどこにも置かれていないか、置いてあっても何の店か分からない。プロフィールの一行を「焼き菓子を作っています」から「仙台の焼き菓子。詰め合わせ ¥2,400。全国発送します」に変えるだけで、クリック数は動きます。
**開かれているのに注文が無い。**62クリックでゼロなら、ここです。原因はほぼ情報の欠落で、価格が無い、送料が分からない、支払い方法が書いていない、写真が2枚しかない、のどれかです。開いた人が判断できずに閉じている。この段階で価格を下げても直りません。**値下げは、情報が揃った状態で売れないときにだけ意味を持ちます。**先に下げてしまうと、元に戻せなくなります。
**注文はあるのに入金が来ない。**振込の説明が分かりにくいか、期限が書いていないかのどちらかです。ここは書き方の問題なので、直すのが一番簡単です。
三つのどれなのかは、数字を見れば十分に分かります。感覚で「魅力が足りない」と判断して作り直すのが、いちばん高くつく間違いです。
十件も売っていない段階で広告を出すと、何が悪いのか分からないままお金が減ります。
商品が悪いのか、写真が悪いのか、価格が高いのか、支払い方法が合っていないのか。切り分けができません。広告は、既に売れているものをもっと売るための道具です。ゼロを1にする道具ではない。
**十件売れるまで広告費はゼロでいい、というのは本当です。**その代わり、十通のメッセージと、箱に入れる紙と、イベントの一日を使います。時間はかかりますが、そこで得た情報は広告では買えません。
焼き菓子の詰め合わせ ¥2,400。送料は地域別で、東北は一律、それ以外は加算。
一週目。十二人に個別メッセージを送りました。返信は九件、注文は五件。うち二人からは「今は買わないけど応援してる」という返事で、これも成果です。後で紹介してくれました。
二週目。届いた人に、二日後に一通ずつ連絡。レビューを三件もらいました。同時に「箱が大きすぎる」という指摘を三人から受けて、箱を変えました。送料の区分がひとつ下がって、一件あたりの利益が増えました。
三週目。メルカリに三点出品。二点売れて、箱にリンクを入れた紙を同梱。そのうち一人が直接注文に戻ってきました。地元のマルシェにも一日出て、その場で四件、後日リンクから二件。
三週間で11件。9件は知り合いか紹介、2件が本当に知らない人。
**待って生まれた注文は、この三週間でゼロです。**全部、自分から動いて生まれています。
リンクを配るのはあなたの仕事です。どのツールも、人を連れてきません。
無料プランは $0 で商品10点まで、分析は7日分。手動の支払い方法とチャット経由の注文に加えて、カード決済も 3% で使えます。カードを出すには Stripe に承認された接続済みアカウントが必要です。手数料は商品代の 1–3%(割引後の商品代にかかり、送料と税は対象外)。
そして Sailo のカード決済は Stripe だけを使っています。他の決済会社は入っていません。Stripe が使えない国では、カードのボタンはどのプランでも出ません。提供国の扱いは変わりますし、この記事では日本の状況を確認していないので断定しません。stripe.com/global を開いて確認してください。
最初の十件に関して言えば、カードは要りません。前払いの銀行振込と代金引換で足ります。月に $49 を払うのは、件数が増えて「カードが無いから買わない人」が見えてきてからで十分です。コンビニ払いを求められたときの答えはコンビニ払いと代金引換を売り手の側から見るに書きました。
四つです。
棚と支払いの組み立て全体はウェブサイトを作らずに日本でネット販売を始めるにまとめてあります。十通送る前に、そちらを一度確認してください。
執筆
Sailo team
リンク一本に、ショップまるごと。
価格の付け方、写真、配送、そして代金の受け取りについてのメールを1通。宣伝も水増しもありません。
Sailo はそこに玄関をつけるだけです。連絡する前に、見て、比べて、値段を確かめられるように。
リンクを受け取るベータ期間中は無料 · カード登録は不要