商品写真の仕事は良く見せることではなく、届いたときに驚かせないことです。白背景の一枚目から、実寸の書き方、色の合わせ方、傷に番号を振る撮り方、梱包を見せる一枚まで。日本の買い手が実際に確かめている七枚の構成と、スマホで効かせる順番を、返品と問い合わせを減らすという一点だけを基準にまとめました。
Sailo team1 分で読めます
「写真と少し違いました」。この一行が届いた時点で、返品はほぼ決まっています。
写真の仕事は、良く見せることではありません。届いたときに驚かせないことです。この一点に絞ると、何を撮るべきかがはっきりします。きれいな一枚より、都合の悪い情報が写っている一枚のほうが、結果として売上を守ります。
東京の高円寺でヴィンテージのニットを売っている吉田さんは、一着 ¥4,200 前後で出しています。一着につき写真は7枚。そのうち2枚は、傷と毛玉と色ムラの写真です。この2枚を足してから、返品率が落ちました。何着かは売れ残るようになりましたが、売れ残るのと返ってくるのでは、コストがまったく違います。
日本の買い手が写真に求める水準は、率直に言って高いです。フリマアプリで何年も細かい商品説明を見てきた人たちが相手なので、情報量の少ない写真は「隠している」と読まれます。
一商品につき、この順で撮ります。順番にも意味があります。一覧に並ぶのは一枚目だけで、詳細ページを開いた人が二枚目以降を見ます。
商品の全体が、明るい無地の背景の上に、まっすぐ写っている一枚。これが一覧に並びます。
背景は白か、ごく薄いグレー。柄物のテーブルクロス、木目の強い机、生活感のある背景は一覧で埋もれます。並んだときに、あなたの商品だけが「何か置いてある写真」に見えてしまう。
正方形にトリミングしておくと、どこに出しても崩れません。
裏側、あるいは横から。器なら底、服なら背面、革製品なら縫い目。
一枚目で見えない面を見せる、というだけの一枚です。ここが無いと、隠していると思われます。
生地の織り、木の目、釉薬のムラ、金属の質感。手で触ったときの感触を、目で想像させる一枚です。
寄りすぎると何の写真か分からなくなるので、商品の一部だと分かる範囲で寄ります。
日本の買い手はここを必ず見ます。
一円玉、五百円玉、A4のコピー用紙、スマートフォン。何でもいいので、大きさが既知のものを横に置きます。手に持った写真も強い。手の大きさは人それぞれですが、それでも数字だけよりずっと伝わります。
メジャーを当てて撮った写真も入れておくと、寸法を疑われません。
マグならコーヒーが入っている。ニットなら着ている。まな板なら野菜が乗っている。
生活の中に置いたときの大きさと雰囲気が伝わる一枚です。ここだけは背景が生活感を持っていて構いません。というより、持っていたほうがいい。
ここが一番大事な一枚です。詳しくは次の節に書きます。
日本ではこの一枚が効きます。
どう包まれて届くのか。緩衝材は何か。箱は何色か。手紙は入るのか。これを見せると、贈り物として買う人が増えます。
梱包の写真を足したら、ギフト用の注文が増えたというのは、割とよく聞く話です。日本では箱を開けた瞬間まで商品のうちだと思われているので、そこを見せない手はありません。梱包そのものの作り方はウェブサイトを作らずに日本でネット販売を始めるにも書きました。
中古品や一点ものを扱うなら、これが全部です。
やり方は単純です。難点をひとつずつ撮って、写真の中に番号を入れる。説明文に同じ番号で書く。
6枚目 ①右袖口に小さな毛玉が3か所あります。着用時にはほぼ目立ちません。 6枚目 ②前身頃の左下、直径 5mm ほどの色抜けがあります。 6枚目 ③裾のリブに、わずかな伸びがあります。
**「6枚目の左下、袖口に小さな毛玉があります」と書いた商品のほうが、「美品」とだけ書いた商品より返品が少ない。**これは吉田さんが実際に見ている差です。
理屈は簡単で、買い手は「難点があること」に怒っているのではなく、「聞いていなかったこと」に怒っているからです。書いてあれば、それを了解して買っています。
「使用感あり」「多少のダメージあり」のような曖昧な表現は、書いていないのと同じです。買い手はそれぞれ自分の基準で「多少」を想像するので、必ずずれます。数と場所と大きさを書く。
一点ものを前払いの銀行振込で売っているなら、この精度は特に重要です。買い手は現物を見る前にお金を出しているので、写真と説明が唯一の根拠になります。前払いを頼むときの書き方は銀行振込で代金を受け取るときに実際に詰まるところのほうに書きました。
写真で大きさを見せたら、数字でも書きます。両方要ります。
服なら、着丈・身幅・肩幅・袖丈。器なら、口径・高さ・容量・重さ。バッグなら、外寸三辺とマチと持ち手の長さ。
**平置きで測った実寸を書きます。**サイズ表記(M、L)だけだと、ブランドや年代で全然違うので、日本の買い手はまず信用しません。ヴィンテージなら特にそうです。
測り方も一行添えると親切です。「着丈は後ろ襟の付け根から裾まで、平置きで測っています」。これがあると、届いてから「測り方が違う」という話にならない。
「写真より暗かった」「もっとベージュだと思った」。返品理由の上位です。
対策は三つあります。
ひとつ、自然光で撮る。蛍光灯の下で撮ると緑に転び、電球色の下で撮るとオレンジに転びます。窓際、昼間、直射日光ではなく、レースのカーテン越し。これだけで八割解決します。
ふたつ、白いものを一緒に写す。白いコピー用紙を隅に入れておくと、色の基準ができます。編集で白を白に合わせれば、他の色もだいたい合います。
みっつ、逃げの一文を入れる。「お使いのモニターや光の条件により、色味が異なって見える場合があります」。これは書いておくべきですが、これに頼って写真を盛るのは筋が悪い。文章は言い訳であって、対策ではありません。
微妙な色のものは、明るい場所と室内の両方で撮って、両方載せる。二枚あれば、買い手が自分で判断できます。
機材を買う前にやることがあります。この順です。
北向きの窓の近く、昼の時間帯。これが一番安定します。
影が強すぎるなら、商品の反対側に白いコピー用紙を立てます。これがレフ板です。数百円もかかりません。100円ショップの A3 のスチレンボードでも同じことができます。
夜に撮らない。どうしても夜しか時間がないなら、撮影用のライトを買うか、翌朝にまとめて撮る。夜の室内灯で撮った写真は、何をどう編集しても救えません。
白い模造紙を一枚、机から壁に沿って湾曲させて立てかける。これで背景の継ぎ目が消えます。
紙は汚れたら替えます。汚れた背景紙で撮り続けている写真は、拡大したときに分かります。
三脚が一番早いですが、無ければ本を積んでスマホを立てかけます。セルフタイマーを2秒に設定して、押した指の揺れが収まってから撮る。
これだけで、拡大したときのシャープさが変わります。素材の写真は特に、ブレていると質感が伝わりません。
画面の商品部分を長押しすると、ピントと露出が固定されます。固定してから、明るさを少し下げるか上げるかを調整する。
固定しないと、少し動くたびに明るさが変わって、同じ商品なのに写真ごとに色が違う、という状態になります。同じ商品の7枚が違う明るさで並んでいると、それだけで雑に見えます。
カメラの設定でグリッド線を出します。真上から撮るときは、線に対して商品を平行に置く。
傾いた写真は、内容が同じでも安っぽく見えます。これはコストゼロで直せる部分です。
価格の付け方、写真、配送、そして代金の受け取りについてのメールを1通。宣伝も水増しもありません。
商品ページを開いてもらう前に、一覧で選ばれる必要があります。ここで効くのは一枚一枚の出来ではなく、揃っているかどうかです。
同じ背景。同じ明るさ。同じくらいの余白。同じトリミング比率。この四つが揃っていると、十点並べたときに店に見えます。揃っていないと、寄せ集めに見えます。
一番よくある崩れは、商品によって寄りの強さが違うことです。ある商品はフレームいっぱいで、隣は小さく写っている。これが混ざると、大きさの感覚まで狂います。マグと箸置きが同じ大きさで写っていたら、買い手は混乱します。
対策は、撮る位置を固定することです。三脚を動かさない。机の上にテープで印を付けて、そこに商品を置く。商品が変わっても、カメラと机の距離は変えない。
スマホで自分の店の一覧を開いて、指で縮小して、遠くから眺めてみてください。**どれか一枚だけ浮いていたら、それが撮り直すべき写真です。**吉田さんはこれを月に一度やっています。
短い動画から商品を知って、購入は別の場所でする。この動きは日本でも普通になりました。
商品ページに動画を置けるかどうかはツール次第ですが、SNS側に置く分には制約がありません。10秒でいい。手に取って、回して、置く。それだけで質感と大きさが写真の何倍も伝わります。
特に効くのは、音がある商品です。器を指で弾いたときの音、革の擦れる音、袋を開けたときの音。これは写真では絶対に出せない情報で、日本の買い手はここに反応します。
ただし、動画は写真の代わりにはなりません。動画で興味を持った人が、確認のために戻ってくるのは静止画のほうです。順番としては、7枚が揃ってから動画です。逆にやると、興味を持った人が確認できずに離脱します。
判断に迷う必要はありません。同じ質問が三回来た商品の写真は、失敗しています。
「サイズ感が分かりますか」が来たら、4枚目が足りていない。「色は写真のとおりですか」が来たら、光が悪い。「裏側はどうなっていますか」が来たら、2枚目が無い。「どんな風に届きますか」が来たら、7枚目が無い。
質問の内容と、足りない写真は一対一で対応します。だから、来た質問をメモしておくだけで、撮り直しの優先順位が決まります。
これは商品説明の文章にも同じことが言えます。答えた内容をそのまま説明文に足す。同じ質問に二度目を答えたら、それは説明文の穴です。
明るさとコントラストを少し調整する。傾きを直す。ゴミを消す。ここまで。
彩度を上げるのは危険です。特に赤と青は上げると実物から離れます。上げた分は、そのまま「写真と違う」の材料になります。
背景を切り抜いて真っ白にするのは、一枚目だけならありです。ただし切り抜きが雑だと、輪郭がガタガタになって逆効果になります。それなら白い紙の上で撮ったほうが早い。
肌の加工、質感を消す加工は、商品写真では使いません。ニットの毛羽立ちを消すと、それは別のニットの写真になります。
日本は季節の移り変わりが売り方に直結する市場です。写真にもそれが出ます。
5枚目の使用シーンに、紅葉の枝や、桜の花びらや、麦わら帽子が写っていると、その写真は数か月で古くなります。11月に見た写真に桜が写っていると、買い手は「去年の在庫か」と読みます。読まれた瞬間に、価格の説得力が落ちます。
定番品を扱っているなら、5枚目は季節が特定できない構図にしておくのが安全です。無地の布、木のトレー、白い壁。これなら一年使えます。
季節を積極的に使うなら、逆に振り切ります。夏のものは夏の光で撮って、8月に出す。ただしその写真は9月に差し替える前提で撮ります。**季節を入れるなら、差し替える日をカレンダーに書いてから撮る。**書かないと、そのまま一年放置されます。
年に二回、春と秋に一覧を見直す時間を取る。それだけで、店が動いているように見えます。
湯気、断面、盛り付け。ここは他のジャンルと少し違います。
いちばん効くのは断面です。焼き菓子なら割ったところ、パンなら切ったところ。中身が見えると、買う理由が具体的になります。
もうひとつ、内容量が分かる写真を必ず入れます。「詰め合わせ」の写真が豪華で、届いた箱が小さいというのは、食品でいちばん多い落胆です。個数を並べて撮る。器の隣に置いて大きさを出す。
賞味期限や保存方法、原材料の表示については、扱う食品と売り方によって必要なものが変わります。表示のルールは自分の商材に合わせて確認してください。写真の話とは別の宿題です。
Sailo のレビューで買い手が残せるのは、名前と、5段階の星と、任意のテキストです。写真は残りません。そして承認制で、あなたが承認するまで公開されません。これは全プランで使えます。
つまり、**買い手が撮った使用写真が勝手に貯まっていくことは起きません。**商品ページに並ぶ写真は、最後まであなたが撮ったものです。これは制限であると同時に、責任でもあります。
回避策としては、買い手に写真を送ってもらえないか個別に頼んで、許可を得たうえで自分の商品ページやSNSに載せる、という手作業になります。頼むタイミングは、届いた二、三日後です。
承認制にも副作用があります。都合の悪いレビューを承認しないこともできてしまう。やると、レビュー欄が広告になって誰も読まなくなります。星4も出しておくほうが、結果として売れます。
ヴィンテージのニットは一着 ¥4,200 前後。一点ものなので、同じ写真は二度と使えません。
撮影は週に一度、火曜の午前中にまとめてやります。窓際に白い模造紙を立てて、三脚を置いたまま。一着あたり7枚、10着で70枚。二時間かかりません。
順番が決まっているのが速さの理由です。全体、背面、生地の寄り、メジャーを当てた一枚、着用、難点、梱包。毎回同じ順で撮るので、迷う時間がゼロです。
難点の撮影が一番時間がかかります。一着に3か所あれば3枚。番号を入れる作業も含めて、そこだけで一着5分。
**この5分が、返品一件を防ぐかどうかの分かれ目です。**返品一件で失うのは、往復の送料と、クリーニング代と、その一着を売る機会そのものです。5分のほうが安い。
Sailo の無料プランは商品10点までです。ヴィンテージのような一点ものを扱っていると、10点はあっという間に埋まります。売れた商品を消せば枠は空きますが、消すと過去の写真も一覧から消えます。Pro は $19/月(年払い $180)で100点、Business は $49/月(年払い $468)で上限なし。一点ものを扱う人にとっては、この上限がプランを決める理由になります。
そして写真そのものは、誰も代わりに撮ってくれません。光の当て方も、傷の数え方も、7枚を毎回同じ順で撮る規律も、全部あなたの手作業です。
四つです。
写真が揃ったら、次はそれを誰に見せるかです。最初の注文を取るに、最初の十件がどこから来るかを書きました。送料と梱包の設計は日本の送料をサイズと重さから決めるにあります。
執筆
Sailo team
リンク一本に、ショップまるごと。
価格の付け方、写真、配送、そして代金の受け取りについてのメールを1通。宣伝も水増しもありません。
Sailo はそこに玄関をつけるだけです。連絡する前に、見て、比べて、値段を確かめられるように。
リンクを受け取るベータ期間中は無料 · カード登録は不要