サイトが無くても売れます。要るのは価格の見える棚と、住所まで揃って届く注文と、買い手が信用する支払い方法の三つだけ。銀行振込と代引が当たり前で、コンビニ払いを期待する買い手もいる日本で、その三つをどう組むか。送料の見せ方、特定商取引法の表示、メルカリとの使い分けまで実務の順番で書きました。
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「在庫ありますか」「おいくらですか」「送料込みですか」。今週だけで、同じ三つの質問に19回答えました。一件あたり二往復として38通。全部、商品の写真の下に数字が書いてあれば発生しなかったやりとりです。
これはサイトが無いから起きている問題ではありません。価格が見えないから起きている問題です。
売り始めるのにウェブサイトは要りません。要るのは三つだけです。ひとつ、聞かなくても値段と実寸と在庫が分かる棚。ふたつ、住所と数量まで揃った状態で届く注文。みっつ、買い手が信用して先にお金を出せる支払い方法。ウェブサイトはこの三つを満たす手段のひとつですが、唯一の手段ではありませんし、月の注文が五十件を切るうちは、たいてい一番高くつく手段です。
岐阜県多治見市で陶器のマグカップを焼いている高橋さんは、一個 ¥3,800 で売っています。最初の三ヶ月、注文は全部インスタのDMで受けていました。売れなかったわけではありません。ただ、月末に集計しようとして、DMを上まで遡らないと何個売れたか分からない、という状態になっていました。
順番が大事です。棚、注文、支払い。この順に詰まります。
棚が無いと、質問がぜんぶ手作業になります。注文の形が決まっていないと、住所の聞き漏らしが起きます。支払い方法が買い手の常識とずれていると、カートに入れたところで止まります。
多くの人は逆から手をつけます。決済から入って、次にデザインを考えて、棚の中身が薄いまま公開する。それで一ヶ月経ってから「集客ができていない」と言うことになります。集客の前に、来た人が値段を見つけられるかどうかを直したほうが安く済みます。
商品ページの仕事は説得ではありません。質問を消すことです。
日本の買い手が最初に探す数字は、だいたい決まっています。
| 探している数字 | 書いていないと起きること |
|---|---|
| 税込みの価格 | 「これは税込みですか」が来る |
| 送料と、送料込みかどうか | 会計の直前で離脱する |
| 実寸(cm)と重さ | 「サイズ感が分かりません」が来る |
| 発送までの日数 | 「いつ届きますか」が来る |
| 在庫の有無 | 売り切れに注文が入って謝ることになる |
この五つを書くだけで、DMの量は目に見えて減ります。高橋さんの場合、マグの口径・高さ・容量・重さを全部の商品に書いた週に、問い合わせが半分以下になりました。減った分の大半が「電子レンジは使えますか」だったので、それも本文に足しました。
写真の話は長くなるので別に書きました。日本の買い手が写真に求める水準は、正直かなり高いです。商品写真をどこまで撮るかで、白背景の一枚目から傷の撮り方まで具体的に扱っています。
「3〜5日でお届け」は使わないほうがいい表現です。誰も配達日を約束できません。運送会社の状況も、天候も、こちらの手の内ではない。
代わりに、自分が約束できる範囲だけを書きます。「ご入金確認後、2営業日以内に発送します」。これなら守れます。守れる約束だけを書くのが、日本で信用を貯める一番安い方法です。
DMで注文を受けると、こうなります。
「これください」 「ありがとうございます。色はどちらにしますか」 「白で」 「かしこまりました。お届け先をお願いします」 (三時間後)「すみません、〒464-0000 名古屋市……」 「お名前と電話番号もお願いできますか」
一件の注文に六往復。十件で六十往復です。しかも住所を送り状に貼り直す作業が別にあります。最初のひと月でいちばん時間を食ったのは、梱包でも撮影でもなく、この転記でした。
注文フォームが要るのはここです。商品、オプション、数量、氏名、住所、電話番号、合計金額。これが一通にまとまって届けば、往復はゼロになります。
Sailo を使う場合、sailo.store/あなたの名前 という一本のリンクが登録した瞬間から生きていて、そこに棚が並びます。注文の受け口は、カード、WhatsApp、Telegram、Instagram、メール、電話、銀行振込、代金引換。これが全部です。
日本で売るなら、ここは隠さずに書いておきます。上のリストにLINEは入っていません。
これは日本ではそこそこ重い制約です。買い手の連絡先として一番自然なのはLINEですし、リピーターを貯める場所としてLINE公式アカウントを使っている売り手は多い。Sailo の注文導線にそれは無いので、LINEでやりとりしたい相手には、こちらから別途LINEで連絡することになります。注文そのものはメールか電話か、あるいはSNSのDM経由で受ける形です。
回避策はあります。無いものを在るように書かないのが大事なので、はっきり書いておきます。
ここが日本で一番よそと違うところです。海外向けの解説をそのまま持ってくると、たいてい外します。
日本の個人・小規模の売り手が実際に使っているのは、銀行振込、代金引換、コンビニ払い、カード、そしてQR決済。このうち Sailo のレールとして存在するのは銀行振込、代金引換、カードの三つで、コンビニ払いとQR決済のレールはありません。
前払いの銀行振込は、日本ではまったく普通の選択肢です。買い手も抵抗しません。
Sailo の振込設定には、銀行名、口座名義、口座番号、IBAN、SWIFT/BIC、それと自由記入の説明欄があります。日本の口座には支店名も預金種目もあるのに、専用の欄はありません。だから説明欄に書きます。この書き方と、振込手数料をどちらが持つかという話、そして「振り込みました」と言われたのに着金していないときの返し方は、銀行振込で代金を受け取るにまとめました。
ひとつだけ先に。Sailo は入金を検知しません。着金を確認できるのはあなたの銀行だけです。通帳かネットバンキングを自分で見て、自分で注文を入金済みにする。これは手作業です。
代引も日本では普通です。運送会社のサービスとして成立していて、買い手にとっては「届いてから払う」という安心があります。
売り手側から見ると、代引手数料を誰が持つか、受取拒否されたときの往復送料を誰がかぶるか、そして代金が自分の口座に入るまでにどれくらいかかるか、の三点が実務です。Sailo の代引設定は自由記入の配送メモだけなので、条件はそこに文章で書くことになります。
これはプランを上げても増えません。Business プランにしても出てきません。
日本でネット通販をやると、コンビニ払いを前提にしている買い手には一定数ぶつかります。カードを持っていない層、ネットバンキングを使っていない層、そして単に慣れているという層。この人たちにどう答えるかは、機能の話ではなく運用の話になります。コンビニ払いと代金引換を売り手側から見るで、実際に何と言うか、代わりに何を出すかを書きました。
Sailo のカード決済は Stripe に承認された接続済みアカウントが要ります。手数料は商品代の 1–3% で、これはどのプランでも同じ率です。割引後の商品代にかかり、送料と税は対象外。お金は Sailo を経由せず、あなたの Stripe アカウントに直接入ります。
そして重要な但し書き。Sailo のカード決済は Stripe だけを使っています。他の決済会社は入っていません。つまり Stripe が使えない国では、カードのボタンはどのプランを払っても出ません。Stripe の提供国は増えたり、扱いが変わったりします。日本がいまどの扱いなのかは、この記事では断定しません。stripe.com/global を開いて、日本を自分で確認してください。
価格の付け方、写真、配送、そして代金の受け取りについてのメールを1通。宣伝も水増しもありません。
ここは日本で明確に基準が高いところです。海外向けの記事はまず書きませんが、日本では書かないと片手落ちになります。
届いた箱を開けたときに、緩衝材が足りなくて商品が箱の中で動いていた。ガムテープが斜めに貼ってある。納品書が入っていない。これだけで、商品そのものに問題が無くてもレビューは落ちます。逆に、箱を開けた瞬間がきれいだと、多少の遅配は許されます。
やることは多くありません。
高橋さんは一筆を最初やっていませんでした。始めてから、リピート率が上がったかどうかは正直分かりません。ただ、レビューにその紙のことを書く人が出てきました。星をつける理由が一つ増えた、ということです。
コストの話もしておきます。緩衝材と箱と紙で一件あたり ¥120 前後かかるとして、¥3,800 の商品なら 3% です。これは無視できる額ではありません。だから、やるなら何を省くかもセットで決めます。凝ったリボンより、動かない梱包が先です。
ギフト対応を受けるかどうかも早めに決めておきます。のし、ラッピング、メッセージカード。受けるなら注文フォームの備考欄で受け取れるようにしておかないと、結局DMで往復することになります。受けないなら商品ページに「ギフト包装は承っておりません」と書く。書いておけば聞かれません。
一点ものを扱っていると必ず起きます。二人が同じ日に注文して、在庫は一つ。
ルールを先に決めておくのが唯一の対処です。何を基準にするか。注文が入った時刻か、入金が確認できた順か。この二つは違う答えを出します。前払いの銀行振込を受けている場合、注文は先だが入金は後、という人が普通に出るからです。
決め方に正解はありませんが、商品ページのどこかに一行書いておくことです。「ご入金の確認順に確保いたします」。これを書いておくと、後になった相手に説明する文章が三行で済みます。書いていないと、その日の夜がまるごと消えます。
一点ものを扱うなら、注文が入った時点で商品を非公開にする運用も現実的です。入金が来なかったら戻す。手作業ですが、一点ものはそもそも手作業の世界です。
日本の買い手は送料に敏感です。「送料込み」と書いてある商品と、会計の最後で ¥900 足される商品では、離脱率がまったく違います。
一方で、全国一律にすると北海道と沖縄の注文で赤字になります。ゆうパックも宅急便もサイズと距離で値段が変わるので、「一律 ¥800」は本州の近距離でだけ正しい数字です。
ここで、料金の設計に効いてくる小さな事実がひとつあります。カード決済の 1–3% は商品代にかかり、送料にはかかりません。送料を商品価格に埋め込むと、その埋め込んだ分にも 1–3% が乗ります。¥800 の送料を価格に混ぜると、一件あたり 4円。件数が少ないうちは誤差ですが、どちらの見せ方が自分に合うかを決めるときの材料にはなります。
サイズの決まり方、ゆうパックと宅急便とネコポスの使い分け、そして持ち込み割引の話は日本の送料を計算するにあります。数字は運送会社のページで確認してください。この記事にも、そちらの記事にも、料金表は載せていません。確認していないものを書かないためです。
日本でネット通販をするなら、事業者としての情報を買い手に見せる義務があります。特定商取引法にもとづく表示、と呼ばれるものです。
だいたい何をカバーするかというと、売っている事業者の名前と連絡先、価格、支払方法と支払時期、商品の引渡し時期、そして返品の可否と条件。このあたりです。
ただ、何をどこまで書く必要があるかは、扱う商材、売り方、事業の形で変わりますし、運用も変わります。この記事では「そういう義務の形がある」ということまでしか書きません。具体的に自分が何を書かなければならないかは、消費者庁の案内で確認してください。ブログの記述を根拠にする種類の話ではありません。
消費税やインボイスの扱いも同じです。売上の規模と登録の有無で変わるので、国税庁で確認するのが正解です。
比較の軸は手数料ではありません。買い手がすでにそこにいるかどうかです。
メルカリには買い手がいます。出品すれば、その日のうちに誰かが見ます。その代わり手数料を払い、価格を並べられ、値下げ交渉が来て、次にあなたから買う理由が積み上がりません。買い手はメルカリの顧客であって、あなたの顧客ではない。手数料が実際いくらかは、メルカリのヘルプで確認してください。ここでは数字を出しません。
BASE や STORES は自分の店です。ドメインがあって、デザインがあって、決済がある。作り込める代わりに、作り込む時間が要ります。
Sailo の位置はもっと手前です。リンク一本と、棚と、注文の受け口。デザインの自由度は低く、その代わり今日の午後に公開できます。
現実的な答えとしては、最初の三ヶ月は両方やる人が多いです。メルカリで売って、箱の中にショップカードを入れて、二回目からは自分のリンクで買ってもらう。この動線をつくるのが、最初にやる価値のある仕事です。
具体的に書きます。
高橋さんのマグは ¥3,800。ひと月の注文は二十件前後。梱包は緩衝材と箱で、80サイズに収まります。
支払いは銀行振込と代引の二本立てです。振込のほうが多い。理由は単純で、振込のほうが手数料の話がシンプルだからです。代引を選ぶのは、初めての相手が半分くらい。
朝、注文が三件入っています。うち二件は振込待ち。ネットバンキングを開いて、入出金明細を見て、一件だけ着金しています。振込人名義が「タカハシ ミサキ」で、注文者名と一致するので、これは確定。もう一件はまだ。
着金した一件を発送準備に回します。梱包して、送り状を印刷して、営業所に持ち込む。持ち込むと割引があるので、午後の散歩がてら歩いていきます。
夕方、代引の一件を出します。代引の売上がいつ口座に入るかは運送会社の規定次第なので、その日の売上として現金があると思って仕入れを組むと、資金繰りを外します。ここは最初にやりがちな失敗です。
月末、Sailo の注文一覧から件数と金額を見ます。DMを遡る必要はもうありません。
無料プランは $0 で、商品10点まで。分析データは7日分。チャット系と手動の支払い方法に加えて、カード決済も 3% で使えます。
Pro は $19/月(年払い $180)で商品100点、分析1年、Sailo のバッジが消えて、CSV書き出しがつきます。カード決済はここにもありません。
Business は $49/月(年払い $468)で商品数の上限なし、分析3年、カード手数料 1%、アフィリエイト。
正直な制限を三つ。**無料プランの10点は、色違いやサイズ違いを別商品にしていると、思ったより早く埋まります。**手動の支払い方法は、確認する人があなたしかいません。そして、日本で標準的な連絡手段であるLINEの導線が無い。
レビューは全プランで使えます。買い手が名前と5段階の星と任意のテキストを残せて、あなたが承認するまで公開されません。承認制なので、都合の悪いレビューを消すこともできてしまいます。それをやると、レビュー欄が広告になって、誰も読まなくなります。星4も出しておくほうが売れます。
四つだけです。
売れる相手の作り方は最初の注文を取るに書きました。棚が整う前に集客をやると、来た人が値段を見つけられずに帰るので、順番はこちらが先です。
執筆
Sailo team
リンク一本に、ショップまるごと。
価格の付け方、写真、配送、そして代金の受け取りについてのメールを1通。宣伝も水増しもありません。
Sailo はそこに玄関をつけるだけです。連絡する前に、見て、比べて、値段を確かめられるように。
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